NPUAP/EPUAP(2019年)の国際的な褥瘡分類。タップしてケアポイントを確認。
1期
消退しない発赤
皮膚の完全性は保たれている
圧迫を解除しても消えない発赤。黒色人種では変色・硬結・冷感として現れる。
2時間以内に体位変換・除圧
体圧分散マットレスへ変更を検討
スキン-テア予防:保湿・刺激回避
摩擦・ずれを減らす(ポジショニング)
発赤部へのマッサージは禁忌
2期
真皮に至る部分的損傷
浅い潰瘍・水疱
真皮が露出した浅い潰瘍、または壊れていない水疱や破れた水疱として現れる。
除圧の徹底・体位変換記録
創面の湿潤環境を保つ(ハイドロコロイドドレッシングなど)
水疱は原則破らない(破れた場合は清潔に保護)
栄養状態の改善(蛋白・亜鉛・ビタミンC)
感染徴候(発赤・腫脹・滲出液増加)を観察
3期
全層皮膚欠損
皮下組織まで達する
皮下組織まで達する全層欠損。骨・腱・筋肉は露出していない。ポケット形成あり。
医師への報告・治療計画の立案
感染コントロール(発熱・WBC・CRP管理)
壊死組織のデブリードマン(医師指示のもと)
ポケット部の洗浄・適切なドレッシング材選択
栄養サポートの強化(NST介入も検討)
4期
全層組織欠損
骨・腱・筋肉の露出
骨・腱・筋肉が露出または直接触知できる状態。骨髄炎を合併することがある。
骨髄炎・敗血症のリスク評価(即座に医師報告)
外科的治療(デブリードマン・植皮術)の検討
陰圧閉鎖療法(VAC療法)の適応を確認
高カロリー・高タンパク栄養管理
疼痛管理・精神的サポート
DTI
深部組織損傷(DTI)疑い
皮下の損傷が先行する
表皮は正常に見えても皮下で壊死が進行。暗紫色・暗赤色の変色。急速に悪化する可能性あり。
即座に完全除圧・医師へ報告
経過観察を密に(24〜48時間で急激に悪化することあり)
硬結・熱感・疼痛・水疱形成の有無を継続観察
判定
不能
ステージ判定不能
壊死組織で創底が見えない
スラフ(黄色・白色)やエスカー(黒色の壊死痂皮)により創底の組織損傷程度が判定できない。
壊死組織の除去後に再ステージング
乾燥した踵部のエスカーは除去しない(血行評価後に判断)
感染徴候がなければ壊死組織は保護
各項目を選択して褥瘡発生リスクを評価。合計スコアが低いほどリスクが高い(最低6点・最高23点)。
ブレーデンスケール
①知覚の認知
1
全く感じない
2
重度に障害
3
軽度に障害
4
障害なし
②湿潤
1
常に湿っている
2
たいてい湿っている
3
時々湿っている
4
めったに湿らない
③活動性
1
臥床
2
座位可能
3
時々歩行
4
歩行可能
④可動性
1
全く体動なし
2
非常に限られる
3
やや限られる
4
自由に体動
⑤栄養状態
1
不良
2
やや不良
3
適切
4
非常に良好
⑥摩擦とずれ
1
問題あり
2
潜在的に問題あり
3
問題なし
合計スコア
各項目を選択してください
📊 判定基準
9点以下高リスク ─ 毎日評価・予防強化
10〜12点中リスク ─ 体圧分散・体位変換
13〜14点低リスク ─ 定期評価継続
15点以上リスクなし ─ 通常ケア
好発部位 ─ 体位別
仙骨部
最多発生部位。全褥瘡の約30%
踵部
DTI好発。枕などで浮かせて除圧
後頭部
特に乳幼児・ICU患者で注意
肩甲骨部
痩せた患者で突出しやすい
脊椎棘突起
やせ型患者で注意
肘頭部
腕の位置に注意
大転子部
側臥位の最多発生部位
外果部
骨突出が顕著。パッドで保護
耳介部
酸素チューブ・眼鏡による医療機器関連褥瘡に注意
膝関節外側
両脚の間にクッションを挟む
肩峰部
30°側臥位が推奨
内果部
下側の脚と上側の脚が接触しないよう
顔面(頬・額)
腹臥位中は1〜2時間ごとに向きを変える
膝蓋骨部
パッドで保護
胸骨部
特に女性・やせ型
腸骨稜部
骨突出が直接圧迫される
趾部
足先の角度に注意
坐骨結節部
車椅子・椅子座位で最多発生
仙骨・尾骨部
後傾姿勢で圧迫増大
大腿後面
座面が硬い場合に注意
足底部
フットレストの調整を確認
⚠️ 医療機器関連褥瘡(MDRPU)にも注意。酸素マスク・経鼻カヌラ・チューブ類・ギプス・圧迫包帯などが原因となる。
褥瘡予防・ケアの5原則
🔄
除圧・体位変換
原則2時間ごとに体位変換。体圧分散マットレス使用時は延長可(患者状態による)。30°側臥位が仙骨部除圧に有効。
💧
スキンケア
皮膚の清潔・保湿を維持。失禁後は速やかに清拭。撥水クリームやバリア剤で湿潤刺激から保護。摩擦・ずれを最小化。
🥗
栄養管理
高蛋白・高カロリー食。亜鉛・ビタミンC・アルギニンの補充を検討。Alb <3.0g/dLは高リスク。NSTへの依頼も考慮。
🩹
創傷管理
湿潤環境を維持するドレッシング材を選択。感染時は抗菌ドレッシングへ変更。壊死組織のデブリードマンは医師と相談。
📋
アセスメントと記録
ブレーデンスケールで定期評価。創の大きさ・深さ・滲出液・臭気・感染徴候を記録。DESIGNスケールで創傷評価も有用。
💡 発赤部のマッサージは禁忌。組織への機械的刺激が損傷を悪化させる。